PSVANE 300B の感想

当ショップでPSVANE 300Bを購入して頂いたお客様の感想メールをいただきましたので、お客様の許可のもと、掲載いたします。
皆様のご参考になりますよ。

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<システム>

アナログ  パイオニア PL-50L+SHURE M44GX+オーディオテクニカAT-LH18/OCC
デジタル  マランツ CM6001+パーツコネクション DAC1.5(改)

プリ  春日無線変圧器 5670単管ステレオラインアンプVer.2(改)

メイン 300BSE(12AX7SRPP+300B with ノグチトランス PMF15WS)

スピーカー フォステクスFE168EΣ+長谷弘工業MM171 with フォステクスFT17H

※ノグチトランスのアイソレーショントランスを電源系につかっています。
<感想など>
◆300B真空管を手にしたのは、大阪に住んでいた16年ほど前に、知人から曙光電子製(東京真空管商会のTSSブランド)を4本譲り受けたのが最初でした。
知人はWE300Bの復刻版を手に入れて、いらなくなった中国製を処分したのでした。

◆ただ、アンプにつくりあげたのはそれから6年後のことです。
雑誌の制作記事を読むとそれなりにトランスなどにお金をかけていて、財政事情が許さなかったのはもちろん、4本1万円で手に入れた真空管とのバランスも考えて、なかなか踏み切れないでいたのです。
ところが偶然、ネットでファースト工業さんという精密金属加工の会社が、ノグチトランスのPMF10WS用の鋼鉄製シャーシーを受注生産していることを知り、重い腰を上げることにしました。

◆ファースト工業さんの標準回路では、初段が12AX7または12AV7のパラレルとなっていましたが、パワー不足が心配されたのと、SRPPの音色が好きなこともあって、12AX7‐SRPPとして、回路を組んでみました。

◆箱から出してきたTSS300Bは、ガラスの内側にタールのような茶色いシミがついていて、1本は振るとカラカラ音がするような状態でしたが、知人が鳴らしこんでいたのが良かったのか、とてもまろやかな音で、お気に入りのアンプになりました。
その後、ノグチトランスからPMF10WSと同サイズのPMF15WSが発売されたので、トランスを交換。ついでに定数を見直して、電源周りも改良しました。

◆その間、ソブテックやスベトラーナの300Bもを試したのですが、結局、初めの曙光電子製に戻っていました。
これは相性の問題で、そういうタイプの音が好きなのでしょう。

◆今回、PSVANの300B真空管を購入したのは、曙光電子の技術者たちがつくった新しいメーカーということに惹かれたからです。
WEを聴いたのは、もうずいぶん前のことで比較できませんし、ロシア製とは個人的に相性が良くない、という点を割り引いた上での感想ですが、まろみのある曙光電子の音を良い意味でグレードアップさせた音色だと思います。
ピアノやヴァイブの立ち上がりはいいですし、低域もボコボコしない締まった音です。
クラリネットやヴォーカルもよく前に出ていると思います。
それ以上に感心したのは音の奥行が深いことです。
6畳間がスタジオかライブハウスになったような雰囲気です。
クラシックなどを聴くと高域がいくらか物足りないので、半年くらい鳴らしこんでから、カップリングコンデンサーを見直す予定ではありますが、もしかするとその必要はないかもしれません。
WE以外の300Bは認めない、というのでさえなければ、音楽を聴くためのアンプに組み上げる必要十分条件をしっかり満たしていると思います。